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名詞と間違えやすい副詞 abroad, here, there...

本記事では、名詞と勘違いしやすい副詞を紹介します。

 

本題に入る前に、名詞と副詞を簡単に説明しましょう。

 

名詞とは

  • 人・ものの名前概念を表す語
  • 文中で主語・目的語・補語になる
  • 前置詞の目的語にもなる〈前置詞+名詞〉の語順)

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

english-gogaku.hatenablog.com

 

副詞とは

  • 動詞・形容詞・副詞を修飾する
  • 文全体を修飾することもある

副詞についてもっと深堀りしたい方はこちらの記事をご覧ください。

english-gogaku.hatenablog.com

 

名詞っぽい副詞:abroad(海外で[に])

abroad(副詞)の意味

国外で[に]

海外で[に]

 

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I like traveling abroad.

海外を旅行するのが好きだ。

 

これをabroad=「海外」と勘違いして、「〜に」にあたるtoを入れるミスが多いので気をつけてください!

 

abroadは副詞なので「で」「に」といった意味まで単語に含まれます。前置詞の出番はありません!

 

× I like traveling to abroad.

 

I want to study abroad.

海外に留学したい。

 

He lives abroad.

彼は海外に住んでいる。

 

live inにしたくなる気持ちをグッとこらえて、live abroadとするのが正解です。 

 

ここでアプローチを変えて、abroadの語源に迫ってみましょう。

 

abroadの語源

=「〜の方に」

broad=「広い」

 

当然ですが、意味に「〜に」が入っていますね。元々は「広い方へ」を意味し、そこから「海外で[に]」という意味になりました。

 

名詞っぽい副詞:overseas(海外で[に])

overseas(副詞)の意味

海外で[に]

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abroadと同じ意味を持つoverseasも「名詞っぽいけど、副詞」です。前置詞を入れないように注意!

My husband works overseas.

夫は海外で働いている。

 

overseasはabroadと違って、形容詞、そしてまれに名詞になることもあります。

 

overseas 形容詞の用法

 

overseas travel 海外旅行

 

形容詞は名詞を詳しく説明するもの。この場合、形容詞overseasが名詞travelを説明しているのです。

 

名詞の用法は、He is a student from overseas.などと表現できますが、副詞・形容詞に比べると使用頻度は下がります。まずは副詞・形容詞のoverseasを押さえましょう。

 

名詞っぽい副詞:hereとthere

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hereの意味

ここに[で、へ] 

 

Come and sit here.

来てここに座って。

 

名詞と勘違いして、sit at hereなどと、前置詞を入れないように!

 

thereの意味

そこに[で、へ]

あそこに[で、へ]

 

I want to go there.[×go to there]

そこに行きたい。

 

名詞っぽい副詞:upstairsとdownstairs

upstairsは「上の階で[へ]」downstairsは「下の階で[へ]」という副詞。それぞれ形容詞と名詞の用法もありますが、副詞で使うことが多いです。

 

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I'll wait for him upstairsdownstairs].

上[下]の階で彼を待っているね。

 

名詞っぽい副詞:indoorsとoutdoors

indoorsは「屋内で」outdoorsは「屋外で」も副詞です。なお、indoor(屋内の), outdoor(屋外の)は別の単語で形容詞なので注意!

 

Kids were playing indoors.

子供たちは室内で遊んでいた。

 

Kids were playing outdoors.

子供たちは屋外で遊んでいた。

 

名詞と副詞 使い分けすべきhome

homeは副詞の他に、名詞・形容詞の用法もあり、どれも広く使われているので少しやっかいです。特に、副詞と名詞の区別をつけられるようにしましょう。

 

homeの品詞と意味

副詞「家へ[に]」

名詞「家」

形容詞「家庭の」

 

I'll stay (at) home  tomorrow.

明日家にいるつもりだ。

 

〈at home〉だと〈前置詞+名詞〉でhomeは名詞として使われています。

 

atがない場合は、副詞のhomeですね。

 

〈基本動詞+副詞のhome〉

最後に、副詞のhomeをもう少し掘り下げましょう。

 

副詞のhomeは〈動詞+副詞のhome〉の形で多用されます。動詞とセットで覚えておくと便利です。

  • stay home(家にいる)
  • go home(家に帰る)
  • get home(帰宅する)
  • come home(帰宅する)
  • send +人+back home(人を家に送る)
  • take home(〜を家に持って帰る)

 

名詞と副詞、見かけの違い

 

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名詞の見かけ=〈前置詞+名詞〉の語順

I'll stay  at   home  tomorrow.

   前置詞名詞

明日家にいるつもりだ。

 

副詞の見かけ=単独で使う

I'll stay home tomorrow.

明日家にいるつもりだ。

 

もちろん、名詞だって単独で使うことはあるのですが、副詞と〈前置詞+名詞〉を混同するケースが多いため上のように書きました。

 

副詞は、〈前置詞+副詞〉の語順には絶対になりません。一方で、名詞は〈前置詞+名詞〉の語順になります。

 

名詞と間違えやすい副詞を〈前置詞+副詞〉の形で使わないようにしましょう。

 

 

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ライティング:つばめパブリッシング