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英語学習書の編集者とネイティブ校閲者による英語やアメリカ文化の解説ブログ

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[ネイティブ監修]Mr. / Ms. / Mrs. / Missの使い分け

[ネイティブ校閲者 監修記事]。Mr. / Ms. / Mrs. / Missなど「〜さん」にあたる敬称はたくさんあります。

 

 

まずピリオドのルールを覚えましょう。結構細かいですが大事です。

  • Mr. / Ms. / Mrs.のあとはピリオドをつける
  • Missのあとはピリオド不要
  • イギリス英語では4つともピリオドなし

では本題に。英語は日本語とは違い、男女で区別します。男性には、Mr.を使いますね。女性の敬称にはバリエーションがあるので分類します。

 

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女性の敬称

  • Ms.→未婚•既婚を問わない
  • Mrs.→既婚女性に対して
  • Miss→未婚女性に対して

長年上記のルールに基づいて使われてきました。しかし、しだいに未婚•既婚を区別することが問題視され始め、現在ではMs.を使うことが圧倒的に多いです。

Mr. / Ms. の共通ルール

  1. Mr.+姓〉〈Mr.+下の名前+姓〉で使う
  2. 〈Mr.+下の名前〉は間違い
  3. 電話•自己紹介などでは自分にMr.[Ms.]をつけることも
  4. Dr. など肩書きのある人に対してはMr.[Ms.]よりも肩書きを優先
  5. 親しい友人に対して使うとよそよそしくなる

5に関しては例外があります。結婚式の招待状やクリスマスカードの封筒など「ちょっと特別感を演出したいとき」には親しい友人にも使う傾向があります。

  

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〈Mr.+姓〉〈Mr.+下の名前+姓〉の例

May I speak to Mr. Smith?

スミスさんとお話したいのですが。

 

I'd like to introduce Ms. Miho Tamura to you. 

田村ミホさんをご紹介したいのです。

 

Mr. Mike / Ms. Mihoなど、〈Mr.[Ms.]+下の名前〉にしてしまうのは間違いです。

 

以前、日本に40年以上住んでいるアメリカ人教授に取材したとき、「この間違いをする学生が大変多い! ネイティブからすると本当に変な響きで違和感」とおっしゃっていたのを思い出します…。

 

電話•自己紹介などでは自分にMr.[Ms.]をつけることも

Mr.[Ms.]は敬称にあたるのに、なぜ自分につけるのか疑問に思うかもしれません。

 

自身にMr.[Ms.など]をつけるとき

  1. 相手が敬称をつけてくれたら形式的に使う
  2. 自身の威厳を示すため
  3. あらたまった場面で形式的につける
  4. 単に相手に自分の性別を伝える目的でつける

 

May I speak with Mr. Sato?

-This is Mr. Sato speaking.

佐藤さんとお話ししたいのですが。

- 佐藤が話しております。

 

これは電話での会話。相手がMr. Satoと言ったので、あえて同じ呼び方(Mr. Sato)で返答しているのです。

 

ただし、「絶対にMr.をつけるべき」というルールはありません。This is Ichiro Sato speaking.などでもOK。

 

英文校閲のブルックさんに聞いたところ、夫婦関係を示したいとき、病院など少しフォーマルなシーンで自分にMrs.をつけるとのこと。

 

他にも彼女が開講している英語の授業で生徒に自己紹介するときも以下のように言うそう。

 

I’m Mrs. Abe.

阿部夫人です(阿部の妻です)。

 

4「単に相手に自分の性別を伝える目的でつける」に関しては、例えば、仕事で面識のない方にメールする際に、自身のメールの署名欄にMs. Miho Tanaka.などと表記することがあります。

 

こうすれば日本の名前に詳しくない人でもMiho Tanaka=女性ということがスグにわかります

 

Mrs. / Missの使用頻度は?

結論から言うと、昨今はMrs. / Miss よりもMs.を使うのが一般的です。

  • 未婚•既婚を区別する必要なんてない
  • 男性には未婚•男性の区別がないのに、女性だけ使い分けるのはおかしい

こういった理由で、Ms.を優先して使うようになりました。

 

私の経験では、大学生くらいまでは〈Miss.+名字〉で呼ばれたことがありましたが、社会人になってからは圧倒的にMs.で呼ばれるようになりました。

 

こちらはBBCによるビジネスレターの書き方を紹介したサイトです。こちらでは「Miss / Mrs / Msで迷ったらMsにせよ!」と断言しています。

www.bbc.co.uk

 

 

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ライティング:つばめパブリッシング

イラスト:田島ミノリ

英文校閲&解説協力:Brooke Lathram-Abe