感謝祭はクリスマスやハロウィンに比べると日本での認知度は低めですが、アメリカのドラマを見ると、必ずと言っていいほど感謝祭のエピソードが登場しますよね。
アメリカの人にとっては一年に一度の大きなイベントだよ。
本記事では感謝祭の由来や料理から感謝祭で使える英語表現まで、詳しく紹介していきます。
感謝祭の過ごし方
感謝祭は、アメリカで11月の第四木曜日(カナダでは10月の第二月曜日)に行なわれます。その翌日はブラックフライデー(Black Friday)といって、小売店で大規模なセールが開催されます。この木金と週末の土日をあわせて、アメリカの多くの地域では4連休になります。
ちなみに翌週の月曜日はオンライン・ショッピングの売り上げが急増する日として、サイバー・マンデー(Cyber Monday)と呼ばれています。この日を境にオンラインの売り上げが急増し、ホリデーシーズンに向けて最盛期が続きます。
話を戻しましょう。感謝祭はアメリカやカナダの人にとっては家族が集まり食事をとる大切な日です。よってこの4連休を使って大勢の人が実家に向けて「大移動」します。
まずは、この時期によく聞かれる質問を紹介していきましょう。
What are your plans for Thanksgiving?
感謝祭のご予定は?
What are you planning to do this Thanksgiving?
今年の感謝祭は何をする予定ですか?
Are you driving or flying?
車で行く? 飛行機で行く?
Have you booked your flights yet?
もうフライトを予約しましたか?
感謝祭シーズンに使える挨拶
感謝祭シーズンが近づくと、伝統的に、カボチャやターキー、小麦などをモチーフとしたカードを用意し、一言添えて家族や親しい友人に送ります。しかし今ではメッセージアプリで挨拶を送り合うことも多くなってきました。
Happy Thanksgiving!
よい感謝祭を!
ハロウィンならHappy Halloween!、バレンタインならHappy Valentine’s Day!と言うように、“Happy+行事名”で覚えましょう。
Have a great Thanksgiving!
よい感謝祭を過ごしてね!
こちらも定番の挨拶ですね。
Happy Turkey Day!
よい感謝祭を!
ちょっと遊び心のあるメッセージを送りたいときにピッタリのセリフです。子どもたちもよくこのフレーズで挨拶します。
I hope you all have a happy Thanksgiving!
皆様にとってよい感謝祭でありますように!
〈I hope that+主語+動詞〉で「S+Vであることを望んでいる」という意味です。この例文の主語はyou allですね。
A very happy Thanksgiving to you and your family.
あなたとご家族にとってよい感謝祭でありますように。
May the holiday bring you good things in abundance that stay with you all year long.
良いことで溢れた休日となり、それがこの1年続きますように。
abundanceは名詞で「豊富」。収穫に感謝するイベントである感謝祭にマッチした表現ですね。〈May+主語+動詞〉で「〜でありますように」と希望を表す文になります。mayと言えば「〜かもしれない」「〜してよい」といった意味があるって習っていたけど、「祈り」を表すときにも使うんだね。
感謝祭の食事会への誘い方
感謝祭は家族や親戚が一堂に会するイベントではありますが、血縁者以外が来てはいけないルールはありません。
何らかの事情で実家に帰れず、感謝祭を1人で過ごす予定の友人に声をかけるときのシーンを想像してください。簡単な会話例を紹介します。
A: Our family is getting together for Thanksgiving dinner. Could you join us?
B: Thank you. That'd be very nice. Is there anything I can bring?
A: No, just bring yourself! We're going to get together around four.
A: 私たちの家族は感謝祭の夕食で集まるんだけど、参加しませんか?
B: ありがとう。喜んでうかがいます。何か持っていくものはありますか?
A: 大丈夫、そのまま来てね。 4時頃に集合だよ。
この会話の場合、just bring yourselfと言われたけど、本当に何も持って来なくていいの!?
私なら、感謝祭の食卓で振舞う食事ではなくて、その後にホストが楽しめるような物を持参するかな。お花とかお子さんへのおもちゃとか、お菓子、ワインなど。もちろん、人によって考え方は違うし、ホストとの関係によるけどね。
ちなみに筆者が昔カナダに滞在していたとき、ホストマザーが友人の家で感謝祭を祝うので、一緒に連れて行ってもらったことがあります。盛大なイベントの日に知らない方のお宅にお邪魔するのは少し気が引けましたが、温かく迎え入れてくださったのを覚えています。生まれて初めて食べたターキーはチキンよりもコクがあって美味しかったです。
こう考えると、「家族・親戚の集まり」と固定化されている日本のお正月より、感謝祭はオープンな集まりと言えるかもしれません。
感謝祭の由来
感謝祭の起源は、イギリスからアメリカ北東部(現在のマサチューセッツ州)に渡ったピルグリムがたい1621年頃に始めた収穫祭に遡ります。
ピルグリムはイギリスの都会出身者であったため、アメリカの荒野で暮らしていく術を知らず、先住民に教えを受けながら、アメリカ生活の基盤を整えていきました。
先住民たちは彼らにトウモロコシなどアメリカの土壌に適した農作物の育て方を教えました。また、魚の釣り方や狩猟など、自然界で生き抜いていくための術を伝えたのです。
1621年頃には、彼らは未開の土地で自給自足で暮らしていく術を学び、収穫も安定するようになりました。特別な日に皆が集まり、自然の恵みへの感謝を表す祝宴を開いたのが感謝祭の始まりと言われています。
感謝祭の食卓を彩る料理や食材
感謝祭の正餐を象徴するのはターキー、クランベリー、スクワッシュ、トウモロコシなどの食材です。いくつか詳しく解説していきましょう。
ターキー(turkey)
感謝祭の正餐の主菜と言えば、七面鳥、つまりターキーのローストです。多くの家庭でオーブンでターキーを丸焼きにして調理します。したがって、感謝祭は「ターキー・デイ(Turkey Day)」と呼ばれることも!
調理法は、スタッフィング(stuffing)と言って、ターキーの中に角切りにしたパンを詰めて丸焼きにする方法が一般的です。またはハーブや野菜の詰め物を入れて丸焼きにすることもあります。
地域によってはstuffingではなくてdressingと言うところもあるよ。州別にどちらを使うか分布した地図がこちらのサイトに載っているので、興味があったら見てみてね。
さて、ターキーが焼き上がったら、グレイビーソース(gravy sauce)やクランベリーソースを添えて頂きます。グレイビーソースとは、肉汁を元に野菜などを煮込んで作った調味料です。
なお、ベジタリアン向けに豆腐でターキーを模して作ったトーファーキー(tofurkey)もあります。Tofurkeyは、tofuとturkeyの合成語ですね。
スクワッシュ(squash)
「かぼちゃ全般」を指す言葉はパンプキン(pumpkin)ではなくスクワッシュ(squash)です。スクワッシュのなかで、表皮がオレンジ色のものをパンプキン(pumpkin)と言います。ちなみに、日本で流通している西洋カボチャは英語でwinter squashと言います。
クランベリー(cranberry)
先に書いた通り、クランベリーソースは感謝祭を彩る定番の調味料。甘味を加えて甘酸っぱいソースに仕上げて、七面鳥のローストに添えるのが定番の食べ方です。
パンプキンパイ(pumpkin pie)
感謝祭の食卓のデザートに欠かせないのがパンプキンパイです。最近ではアメリカ系のスイーツの会社が感謝祭の時期に日本でもパンプキンパイを売り出すようになりました。パンプキンパイではなく、アップルパイを食卓に出す家庭もあると聞きます。
ほかに、ピーカンパイ(pecan pie)を出す家庭も多いです。ピーカンパイは、コーンシロップとピーカンナッツで作ったパイです。
ちなみに、pecanを"PEEcan pie" と言う人もいれば、"pahCON pie"と発音する人もいるよ。
サツマイモ(sweet potatoes)
日本のサツマイモとは違い、アメリカで食べられているものは中身がオレンジ色です。英語でsweet potatoと言うと単に「サツマイモ」のことで、お菓子の「スイートポテト」ではありません。「スイートポテト」は英語でsweet potato cakeと表現します。
グリーンビーン・キャセロール(green bean casserole)
サヤインゲンと玉ねぎをクリームマッシュルームスープであえた料理で、感謝祭のサイドディッシュとしてよく食卓に上がります。キャンベルのクリームマッシュルームスープを使うのが定番です。
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