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英語学習書の編集者とネイティブ校閲者による英語やアメリカ文化の解説ブログ

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[ネイティブ監修]because, since, as, forの違い

 

becauseは「相手が知らない理由」を伝える

  1. since, asよりも「新たな情報」を示す
  2. 「〜だから」と、最も「強く」「明確に」理由を表す
  3. 理由を表す接続詞の中で使用頻度が高い

 

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I didn't go to work because I had a bad stomachache.

お腹がひどく痛かったので仕事に行かなかった。

 

Why were you absent yesterday?

- Because I had a cold.

どうして昨日休んだの?

- 風邪を引いたから。

 

例えばこの会話だと、聞いた人は相手がなぜ休んだのか「知らなくて」聞いています。Because以下が「聞いた人が知らない情報」となります。

  

2の説明が少し分かりにくいかもしれません。例として最初の文を見てみましょう。

 

becauseを使うと主節(I didn't go to work)の原因が、従属節(because I had a bad stomach)にあるとダイレクトに表現できます。

 

「仕事に行かなかったのは腹痛のため」と、因果関係が明確になるのです。

 

 

sinceは「相手が知っているはずの理由」を伝える

 

  1. 相手が知っている理由を述べるときに使う
  2. becauseに比べて意味が弱い
  3. Since ...で始まることが多い

 

 

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Since it was snowing this morning, the flight was canceled.

今朝雪が降っていたのでフライトはキャンセルされた。

 

これは、話し手が「今朝の天気が雪だったのは相手も知っているだろう」と思っており、sinceを使っています。

  

例えば同じ地域に住んでいる人に話すときは、天気は自明ですもんね。

 

sinceの語順は、The flight was canceled since it was snowing this morning.でも間違いではありませんが、Since ...と文頭をsinceで始めるほうが一般的です。

 

asはフォーマル。多義語なので注意

 

  1. becauseやsinceよりフォーマル
  2. asは多義語なので意味が曖昧になりがち
  3. becauseやsinceに比べて意味が弱い
  4. 相手が知っている理由を述べるときに使う
  5. As ...で始まることが多い

 

 

As he wasn't at the office, I sent an email to him.

彼がオフィスにいなかったので、彼にメールを送った。

 

As she was only a child, she needed her mother’s care.

彼女は子どもだったので、母に世話してもらう必要があった。

 

asは「〜のときに」「〜するにつれて」など、「〜なので」以外にも多くの意味を持ちます。なので、ややもすると他の意味にとられてしまう可能性も。

 

例えば上の文。これは「子どもだったとき〜」と解釈することもできます。

 

「〜とき」なのか「〜なので」なのか曖昧です。したがって、「〜だから」の意味では、asよりもbecause, sinceを使うのがオススメ。実際にネイティブもこの意味ではbecause, sinceを使うことが多いのです。

 

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forは文章で使うお堅い語 

さて、ここまでbecause, since, asの違いを見てきましたが、実はforにも理由を述べる用法があります。forといえば前置詞の印象が強いはず。でもここで紹介するのは接続詞のforです。

 

 

用法は限られており、以下のような特徴があります。

  1. 「前に述べたこと」の理由を「追加的」に述べるときに使用
  2. 主に文章で使う
  3. かなりフォーマルなので口語では使わない

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2の文章というのは、ビジネスメール、公的文書、論文、小説やビジネス書などを指します。友人同士のカジュアルなやり取りには使いません。

 

I don't have a large bag, for I don't bring work home.

大きなカバンは持たない。というのも仕事を持ち帰らないから。

 

 

追加的に「〜というのも〜だから」と理由を述べるので、〈主節+ , for ...〉の語順にします。

 

 

なお、普通はforの前にコンマ〈,〉やセミコロン〈;〉を打ちます。

 

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ライティング:つばめパブリッシング

イラスト:田島ミノリ

英文校閲&解説協力:Brooke Lathram-Abe