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[ネイティブ監修]arrive / reach / get toの違い

今回は「到着する」を意味する arrive, reach, get toの違いを解説します。

 

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 …と考えがちですが、実際には結構違います! カジュアル度合いが違ったり、どれも多義語で特にreachは意味が豊富だったり。違いを丁寧に見ていきましょう。

 

 

arrive=場所や時や考えに到達する

arriveのポイントは3つ! 以下の点を押さえましょう。

 

arriveのポイント

  1. get toに比べて堅めの単語
  2. 自動詞(arrive at[in]でよく使う)
  3. 基本の意味→「場所に到着する」
  4. 「結論に達する」などの意味も

 

arriveの一番聞く用法といえば「(場所)に到着する」です。

 

こちらの表現は機内アナウンスでおなじみですね。

 

The plane will arrive at the airport in forty minutes.

飛行機は40分で空港に到着します。

 

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I arrived home safe and sound.

無事に家に着いた。

 

この場合はarriveのあとに前置詞が続いていません。なぜでしょうか。そもそも前置詞とは、あとに名詞相当語句(=名詞や動詞の-ing形)が続くものです。

 

実はこのhomeは名詞ではなく「我が家に[へ]」という意味の副詞。なのでarriveとhomeの間に前置詞を入れる必要はありません。

 

ちなみに、safe and soundはイディオムで「無事に」「つつがなく」を意味します。この場合のsoundは「音」ではなく「健全な」という意味の形容詞ですね。

 

arrive at と arrive inの違い

ここでarriveに続く前置詞であるatとinの違いに迫りましょう。

  • at→比較的狭い場所に着くとき
  • in→比較的広い場所に着くとき

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I arrived at the hotel in Shibuya.

渋谷のホテルに着いた。

 

My parents arrived in Tokyo yesterday.

両親は昨日東京についた。

 

  • 「狭い場所」とは「空港」「駅」など
  • 「広い場所」とは「東京などの都市」「日本などの国名」など

 

ただし、これは話者の主観によることが多いです。あくまで目安として覚えておきましょう。

 

「場所に到着する」以外の意味

They arrived at a conclusion.

彼らは結論に達した。

 

これはThey reached a conclusion.でも大丈夫です。

 

They arrived at an agreement.

彼らは合意に達した。

 

They reached an agreement.でもOK。

 

That game will arrive in stores next week.

そのゲームは来週店頭に並ぶ。

 

arriveの中心的な意味は「ある点に到着する」です。

 

「ゲームが発売の点に到着する」→「ゲームが店頭に並ぶ」と考えればわかりやすいはず。

 

多義語 広く「達する」を表す reach

reachのポイントは5つにまとめました。

  1. get toに比べて堅めの単語
  2. 基本的に他動詞 
  3. 基本の意味は「場所に到着する
  4. 次に「手を伸ばして取る[取ってやる]」の意味も大事
  5. 「達する」「連絡をとる」などの意味も。

  

My parents reached Tokyo yesterday.

両親は昨日東京に到着した。

  

My parents arrived in Tokyo yesterday.と同じ意味になります。

 

ただし、〈reach+都市〉よりも〈arrive in+都市〉のほうが自然。ネイティブはarriveをよく使います。

 

I reached the hotel in Shibuya.

渋谷のホテルについた。

 

reachのあとに続けるのは「広い場所(東京など)」でも「狭い場所(ホテルなど)」でもOKです。

 

「手を伸ばして取る[取ってやる]」のreach

Could you reach that book for me?

その本を取っていただけませんか。

 

これはarriveにはない用法なので、reachの独自の意味として頭に入れておきましょう。

 

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I reached over and picked up my smartphone.

手を延ばしてスマホを取った。

 

これは自動詞用法です。ただし、自動詞よりも他動詞で使うことのほうが多いので、基本的には「reach=他動詞」と覚えておいて問題ありません。

 

多義語 reachの他の意味

reachはarriveよりも多義語です。他の例文を紹介しましょう。

連絡を取る
I tried to reach him by phone.

彼に電話で連絡を取ろうとした。

達する

The water level has reached the warning line.

水位は警戒線まで達した。 

(抽象的なものに)届く 
You have to work hard to reach your dreams.

夢を達成するために一生懸命勉強するべきだ。

 

The pitcher injured his arm and failled to reach his full potential.

ピッチャーは腕を負傷して可能性を発揮し損ねた。

 

 

このように「夢や目標など抽象的なものに達する」「可能性を発揮する」と言うときにもreachを使えます。arriveも抽象的な目的語を続けられますが、reachのほうがより抽象的なものとの相性が良いのです。

 

会話で頻出 get to

get toのポイントは3つ!

  1. 口語的。会話で頻繁に使う。
  2. 〈get to+場所〉で「〜に着く」
  3. 「〜に取りかかる」などの意味もある


最後は、arriveやreachに比べてカジュアルな表現であるget toをご紹介しましょう。

 

My parents got to Tokyo yesterday.

両親は昨日東京に着いた。

 

I got to the hotel in Shibuya.

渋谷のホテルに着いた。

 

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reachと同じく、get toのあとに「広い場所」「狭い場所」のどちらも続けることができます。

 

「〜に取りかかる」の get to

「〜に到達する」から派生して「〜に取りかかる」「〜を始める」という意味もあります。

 

Get to work right away.

はやく仕事に取りかかりなさい。

 

I got to thinking about it.

そのことを考え始めた。

 

toのあとには名詞相当語句が続く点に注意してください。例文を見るとwork(「仕事」という名詞)やthinking(動詞の-ing形)が続いています。

 

マトメ

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編集者 連載記事

ベレ出版さんのnote記事で連載を担当しました。アメリカ、中国、日本の言語、文化比較をしています。

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ライティング、編集: 余田志保

イラスト:田島ミノリ

英文校閲&解説協力:Brooke Lathram-Abe