本記事では、to不定詞と動名詞はそれぞれ「前にどんな動詞が来るのか」を見ていきます。
参考書ではよく「to不定詞を目的語にとる動詞」「動名詞を目的語にとる動詞」などと表現しますが、言い方が小難しいですね。
要は 「〈動詞+to不定詞〉のパターンと〈動詞+-ing〉のパターンがある。「動詞」によってはto不定詞だけ、動名詞-ingだけと結びつくものがある」ということです。
大まかにいうと、次の3通りのパターンが考えられます。本記事では「to不定詞だけが続くパターン」と「動名詞だけが続くパターン」を掘り下げていきます。
不定詞のみをあとに続けられる動詞
ここであえてto不定詞のtoの意味を考えてみましょう。
toの意味は何か?
to不定詞のtoは元々は前置詞です。前置詞のtoは「〜へ、まで」と「空間的にも時間的にも先」を表します。
to不定詞のtoにはその名残が残っています。なので、to不定詞の前に来る動詞は先のことを表したり、未来的な意思が感じられるものが多いのです。
hope to不定詞(〜することを望む)とか、expect to不定詞(〜することを予期する)とか、イメージとして未来的な意思が感じられますね。
上に挙げた動詞をいくつか使って例文を紹介していきましょう。
hope to不定詞(〜することを希望する)
I hope to see you again.またお会いできることいいです。
wish to不定詞(〜を望む)
I don't wish to give him any trouble.彼に迷惑をかけたくない。
decide to不定詞(〜することを決める)
I finally diceided to get married with him.ついに彼と結婚することに決めた。
manage to不定詞(何とか〜する)
How do you manage to earn your living?どうやって生計を立てているの?
manage to 〜で「苦労して何とかやり遂げる」「うまく、どうにか〜する」ですね。earn one's livingは「生計を立てる」。
expect to不定詞(〜することを予想する)
I didn't expect to see him.彼を見かけると思っていなかった。
expect to 〜で「〜するつもりである」「〜することを予想する」という意味です。
動名詞のみをあとに続けられる動詞
次は〈動詞+-ing〉のパターンです。
先ほど、to不定詞は未来的意思を表す動詞とつながりやすいと書きました。
対して〈動詞-ing〉はどうか。-ingは、to不定詞と比べると未来的ではありません。
ということは、未来のことより「すでに起こったことに対してどう対処するか」を表す動詞とつながりやすくなります。
enjoy -ing(〜することを楽しむ)とか、finish -ing(〜することをやめる)でニュアンスが感じ取れるでしょうか。
ただし、これは絶対的ではなく、あくまでtoと比べたときのイメージとして捉えたほうがいいでしょう。
enjoy -ing(〜することを楽しむ)
I really enjoyed talking with you.
お話できて本当によかったです。
別れ際に言う決まり文句です。直訳すると「あなたと話すことを本当に楽しみました」。
finish -ing(〜することを終える)
I've just finished doing the dishes.ちょうど皿洗いを終えたところだ。
I'veはI haveの短縮形で、この文は〈have+過去分詞〉の現在完了(完了用法)の文ですね。
「(ちょうど)〜したところだ」と過去から続いていた事柄が完了したことを表します。
Stop crying.
泣くのをやめて。
厳密にいえば、stopのあとにto不定詞も続けられます。ただし、意味がまったく違ってくるので注意してください。
Stop to cry.
泣くために立ち止まった。
Stop to cry.は「泣くことをやめて」という意味にはなりません。
この不定詞は副詞的用法の目的(〜のために)を表すもの。なので「泣く目的で、泣くために、立ち止まった」という意味になります。
mind -ing(〜を気にする)
I don't mind working early in the morning.早朝働くのは嫌じゃない。
mind -ingで「〜を気にする」「嫌だと思う」です。
consider -ing(〜することをよく考える)
I'm considering applying for the position.その職に応募しようか考えている。
マトメ
以上、あとにto不定詞が続く動詞、あとに-ingが続く動詞をそれぞれ紹介しました。
たくさんの動詞を紹介しましたが、特に頻出のものを例文で紹介しています。まずは例文になっている動詞から押さえてみてください!
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ライティング:つばめパブリッシング
イラスト:田島ミノリ