動詞のあとにto不定詞が来るか、動名詞-ingが来るかで意味が変わることがあります。例えば、〈remember+to不定詞〉〈remember+-ing〉は意味が違うのです。
そもそも、to不定詞のtoは「未来への方向」を表す前置詞です。なのでto不定詞は、「これから〜する」「今後〜の状態になる」といった未来への行動を感じさせるニュアンスを持っています。
それに対して動名詞-ingは「これまでにすでに起こっていること」や「現在のこと」を表します。
ざっくりとしたイメージとして、このto不定詞と動名詞-ingのニュアンスの違いを押さえておきましょう。その上で今回の記事を読むと例文を理解しやすいはずです。
remember to不定詞(忘れずに〜する)
remember -ing(〜したことを覚えている)
Remember to call me.
私に電話することを思い出してね。
remember to不定詞で、「これから先〜することを覚えている」。つまり「これから先、忘れずに〜する」と未来のことを表します。to不定詞なので未来志向です。
I remember seeing that woman before.
あの女性に会った覚えがある。
remember -ingで「〜したことを覚えている」。過去にしたことを覚えていると言うときに使います。動名詞-ingのニュアンスが反映されていますね。
forget to不定詞(〜することを忘れる)
forget -ing(〜したことを忘れる)
forget to不定詞は「すべきことを忘れてしまい、しない」状況で使います。実際には自然な日本語で「うっかり〜するのを忘れる」「〜するのを怠る」などと訳します。
Don't forget to call me.
忘れずに私に電話して。
「これから先、私に電話することを忘れないで」と呼びかけています。
次は、ちょっとややこしいケースです。
I forgot to tell him about the plan.
彼に計画を伝え忘れた。
これは完全に「彼に伝えること」を忘れてしまっています。(「伝えたか、伝えていないか」を思い出せないわけではない)。
I forgot telling him about the plan.
実際に彼に計画を伝えたか忘れた。
こちらは、「実際に彼に伝えたけど、伝えたか伝えてないかを忘れちゃった」場合。「前者は伝えていない、後者は伝えている」ので、意味が違いますね。
区別が難しいので、もう1例挙げましょう。
I forgot to meet him.
彼と会うのを忘れていた。
こちらは約束をすっぽかしちゃったときに。
I forgot meeting him.
彼と会ったかどうか忘れた。
これは、本当は会っているだけど、会ったかどうか記憶が曖昧というときに。
続いて、未来形の文も見てみましょう。
I'll never forget dating him.
彼とデートしたことを絶対忘れない。
「過去にデートした事実」があって、それをnever forget(絶対忘れない)と言っている文です。
Don't forget to ...= Remember to
Don't forget to feed your cat when you go out.Remember to feed your cat when you go out.
外出するときは猫に餌をあげるのを忘れないで。
両者はほぼ同じ意味を表します。
regret to不定詞(残念ながら〜)
regret -ing(〜したことを後悔する)
regret to不定詞は「〜することを残念に思う」と未来にすることに対しての遺憾の念を表します。「残念ながら〜する」と訳すと自然な場合も多いです。
I regret to say I cannot attend the ceremony.
残念ながら、式に出席できない。
I really regret leaving the company.
その会社を辞めたことを本当に後悔している。
-ingなので、過去に会社を辞めた事実があって、それを後悔していることを指します。
以上、動名詞が来るか、不定詞が来るかで意味が変わる動詞を紹介しました。
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