普通、単数の可算名詞の前には冠詞(a/an, the)をつけますが、例外的に冠詞をつけないことがあります。
その中でも覚えておくと便利なのが、〈by+交通手段〉〈by+通信手段〉の用法。どちらも「〜で」と手段を意味します。
〈by+交通手段〉
byの次にはcar(車)plane(飛行機)、train(電車)など「具体的な乗り物」が入ります。
I went there by subway.
地下鉄でそこに行った。
subwayはアメリカ英語です。イギリスだとundergroundもしくはtubeが一般的。tubeは特にロンドンの地下鉄を指し、口語的です。
I go to school by bicycle.
(普段)自転車で通学している。
現在形には「日常的に行なっている習慣的なこと」を表す用法があります。これは学生である I(私)が自転車通学していることを伝えている文です。
I'm going to travel by air.
空路で旅行するつもりだ。
これはちょっと変化球。
airは「具体的な乗り物」ではないですが、by airで「空路で」を表します。by air=by planeです。
「水路で」ならby sea、「陸路で」ならby landですね。
〈by+通信手段〉
「メールで」 「手紙で」などと連絡・通信手段を表したいときに使える表現です。
I'll contact him by e-mail.
彼にメールで連絡します。
ビジネスで使えそうな一文です。
電子メールなのでe-mail(electronic mail)であり、mailとしないように。
厳密にいえば、mailで「電子メール」を意味することがあるようですが、紛らわしいので避けたほうがいいでしょう。
Could you send it by mail?
郵便で送っていただけますか?
ここでのmailの意味は「郵便(制度)」。これはアメリカ英語で、イギリスではpostが一般的です。
ただし、air mail(航空便)、sea mail(船便)などと連語で使うときは、英米の区別がありません。
I'll send it by special delivery.
速達でお送りします。
「速達(便)」はspecial delivery。これもアメリカ的で、イギリスではexpress deliveryが一般的です。
I tried to reach him by phone.
彼に電話で連絡をとろうとした。
まず大事なのは、try to 〜「〜しようとする」。
by phoneはby telephoneでもOK。さらにon the phoneとしてもいいです。このとき冠詞のtheがつくことに注意しましょう。
他の前置詞で表すとき
他の前置詞(inやonなど)で表すときは名詞の前に冠詞がつきます。
I went to Tokyo in a new car.
新車で東京に行った。
I went on a train.
電車で行った。
本題から話がずれますが、inとonの使い分けについて少し説明します。
ざっくりいうと「小さめな乗り物(箱に入るイメージ)」のときはinを使う傾向があります。
他方「大きめな乗り物(入るというよりも広い面積の床に足が触れるイメージ)」はonと結びつきやすいです。例を挙げると、飛行機、バス、電車などですね。
マトメ
以上、〈by+無冠詞で名詞〉で「交通・通信手段」を表す用法を見てきました。
by train(電車で)、by e-mail(メールで)など、日常会話で使えるものばかり。是非活用してください!
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ライティング: つばめパブリッシング