「〜まで」を表すbyとuntilは区別がつきにくい単語です。例文を読みながら使い分けできるようにしていきましょう。
byは、「〜までには」起こるという「期限」を表します。untilは、ある状況や動作が「〜までずっと」と「継続」することを表します。図で表すとこのようになります。
Please send me an email by Monday.(月曜日までに私にメールを送ってください)のbyは「締め切り、期限」を表します。最終締め切りは月曜日ですが、前日や前々日にメールを送っても構いません。
それに対して、He'll stay in Tokyo until Monday.(彼は月曜日まで東京に滞在にする)は、今から月曜日まで、他の場所に行かず、継続して東京にずっといる意味を表します。
byは「期限」 until(till)は「継続」
もう少し例文を挙げて解説していきましょう。
明日の朝までに仕上げていただけますか?
明日の朝を「期限(by)」として提示しています。
Wait until tomorrow morning.
明日の朝まで待って。
こちらはuntilで「待つ状態が明日の朝まで継続する」ことを表しています。こう言われた相手は、明日の朝までずっと待つことになります。
もう1組例文を挙げましょう。次の2文の違いがわかりますか。似た文ですが、意味はかなり違います。
Be here by six o'clock.
6時までにここに来て。
I'll stay here until six o'clock.
6時までここにいます。
最初の文は、by six o'clockなので6時が「期限」です。仮に今が3時だとしましょう。そうすると「4時、5時には別の所にいても、ここに来ててもいいが、6時にはここに集合ね」という意味合いに。「最終的な期限」=6時です。
後者は、until six o'clockなので6時までの「継続」を表します。今が3時だとすると、話者は3時から6時までずっと同じ場所にいることになります。
from A until(till)B
朝から晩まで働き通しだ。
時の起点を表すfromとセットになっている表現です。from A until Bで「AからBまでずっと」の意味に。
from A to Bは聞いたことがあるな〜。
from A to Bも同じような意味合いになりますが、toよりuntilにしたほうが「ずっと」が強調されます。
接続詞になるのはuntil(till)
文法上の違いとして、until(till)が接続詞にもなるのに対して、byは接続詞にはなりません。なのであとに〈主語+動詞...〉を続けられるのはuntil(till)だけです。
雨がやむまでここにいてくださいね。
until death do us part
死が2人を分かつまで
結婚式の誓いの一節です。どちらかが死ぬまで「ずっと」誓いを通すので「継続」のuntilが適切です。
untilとtillの違い
untilに似た単語にtillがあります。よく「untilの短縮形がtillでしょ?」と思われている人もいるかもしれませんが、実際にはそれぞれ独立した単語です。基本的な意味は変わらないので交換可能です。細かい違いをいうとtillは口語的です。一方で、untilは話し言葉から文書まで広く使います。使用頻度は圧倒的にuntilのほうが高いです。
参考に、Google Books Ngram Viewerで、書籍でuntilとtillのどちらが使われてきたか時系列に示したデータを紹介します。
これは「書籍のなかで」untilとtillがどれくらい使われているかを示しているデータだから、口語でよく使われるtillの数は低いね! もともとuntilのほうが使用頻度が高いんだけど、書籍のデータだから差が大きく開いているよ。でも、1840年頃はtillのほうが使われていたけど逆転していてい興味深いね。
こちらのMerriam-Websterの記事を読むと、もっと理解が深まると思います。
記事のなかでuntill and till can be used freely and interchangeablely(交換可能)と、はっきり書かれているね!
マトメ
以上、「〜まで」と訳すと同義に見えますが、実際には意味が違うbyとuntil(till)の違いでした。ここまでのことを次の表にまとめているのでご活用ください。
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