English Square

英語学習書の編集者とネイティブ校閲者による英語やアメリカ文化の解説ブログ

MENU

until Mondayは「日曜まで」?「月曜まで」?

 

until Mondayは「日曜まで」?「月曜まで」?

 

untilは「〜までずっと」と「継続」を表す前置詞ですね。

 

本記事はuntilをちょっと深掘り。untilのあとに来る時間や曜日を「含むか含まないか」考えていきます。

 

例えば、日本語で「月曜まで」というと、月曜日も含みますよね。果たして英語はどうなのか。言語間の違いに注目しつつ見ていきましょう。

 

untilのあとに来る時間や曜日を「含むか含まないか」......結論をいうと、ケースバイケースです!

 

なのでuntilを使った表現は、ネイティブが見聞きしても曖昧な印象を受けることがあるそう。よく分からなかったら確認するのがベストです。

 

あとの日時を「含む」例 

The sunny weather will last until Monday.

月曜まで晴れるでしょう。

f:id:hibi-writing:20210216154440p:plain

例えば、この例文の場合、月曜も含んで「月曜まで」を意味します。つまり「日曜まで晴れで月曜は雨」ではなく「月曜まで晴れ」です。

 

あとの日時を「含まない」例 

Closed until Monday.

日曜まで休業。

これは日本語の感覚だと「月曜まで休みだろう」と思ってしまいますね。

 

しかし、こう掲示されていた場合、普通は月曜を含まないようです。つまり店がオープンするのは月曜日です。慣習的な表現と覚えておくといいです。

f:id:hibi-writing:20210216155040p:plain

ちなみに、closedは形容詞で「閉店の」「休業の」という意味です。対義語はopenで「開店している」。

 

 untilの曖昧さ 〜O-LEX辞書の調査〜

「ケースバイケースって、かえって難しいじゃん」と、混乱してしまった方がいるかも。もう少し理解を深めていただくために、ある辞書の調査結果をご紹介します。

 

O-LEX(旺文社)ではuntilの後にくる日は『...まで』の中に含まれるのかと題し、以下のようなアンケートをネイティブに実施しています。以下、引用になります。

 

be on vacation[OR holiday] until August 20thという場合、8月20日が休暇に含まれるかどうか調査した。

Q. 次の文で、彼女の休暇の最終日は何日ですか。

She will be on vacation[OR holiday]until August 20th.

(a) August 19th(8月19日)

(b) August 20th(8月20日

(c) 両方可能

f:id:hibi-writing:20210216155501p:plain

上に引用した通り、結果は(c)が半数近くで一番多く、続いて(b)が続きます。(a)のみと答えた人はわずか1割。なお、両方可能の(c)とした人は「20日を含まないほうが普通」と答えた人が半数以上を占めたとのこと。

 

これって「含むが多数」とも「含まないが多数」とも断言し難いですね。untilのあとを含むか含まないか問題。本当にネイティブにとっても曖昧なのです。

 

untilでこういった表現をされたときは、聞き手は積極的に確認を求めたほうがよさそうです。

 

O-LEXでは代替表現として以下の文を紹介していました。

She will be on vacation through August 20th.

彼女は8月20日いっぱいまで休暇をとる。

throughの原義は〜を通り抜けて。これは「物体」のみならず「時間」をも通過しているイメージです。なので日にちをあとに続ける場合は、必ずその日にちを含みます

 

これなら「20日まで出社しませんよ」とメッセージを明確に伝えられますね。untilよりずっと明確です。

 

他にもこんな表現も明確です。

She is gone August 10-20.

彼女は8月10日から20日までいない。

「20までgone」とクリアに示しているので、相手に誤解を与える心配はないですね。

 

 マトメ

  • 「untilのあとの日時を含むか含まないか」はケースバイケース
  • ときにネイティブから見ても曖昧な表現
  • throughなど代替表現を使えば意味が明確になる

 

関連記事

english-gogaku.hatenablog.com

 

About Us

運営者:余田志保

englishedit01.com

 

運営者 連載記事

ベレ出版さんのnote記事で連載を担当しました。アメリカ、中国、日本の言語、文化比較をしています。

note.com