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完全版 助動詞willの用法

助動詞シリーズ第二弾ではwillの用法を紹介します! まずは個別の用法を見る前にwillのイメージを捉えておきましょう。

willのキーワードは「これから」です。これは絶対に押さえておきましょう。さらにニュアンスを加えるなら、「パワーは強め」。willの発音からは強さをあまり感じないのですが(破裂音とか摩擦音のほうが強いイメージしませんか?)、実際結構エネルギッシュというか、出力強めのニュアンスを持っています。なので、赤色で表現してみました。

まずはこのイメージを焼き付けて、それぞれの用法を見ていってね。

 

 

これからのこと

これは文法書でよく「単純未来」と説明されている用法です。

「単純未来」って、意味がよくわからないなぁ

その通り、「単純未来」と言われても日本語としての意味がわかりにくいですよね。なので「単純未来」って言葉は気にしないでください。代わりに絶対押さえていただきたいのがwillは「これからのこと」を表す点。さっそく例文にあたってみましょう。

I will be thity-nine next May.

私は次の5月に39歳になる。

next Mayに誕生日を迎える=「これからのこと」だね。

I hope you will like it.

あなたがそれを気に入るといいな。

これはプレゼントを渡す側が言う定番のセリフ。「あなたが気に入る」のはプレゼントを開封したあと、つまり「これからのこと」です。

 

She will come to the party.

彼女は(必ず)パーティに来る。

実は、willって「これから絶対そうなる」って意味を表す、結構強いニュアンスの単語なんだ。だからShe will come to the party.は、「彼女は何が何でもパーティに来るよ。来たがらない場合は無理やりにでも連れて来る」といった印象を与えてしまうことも!

 
代わりにこう言うとニュアンスが和らぎます。

She will be coming to the party. / She's coming to the party./ I think she's coming to the party.

彼女はパーティに来ると思うよ。

進行形で近い未来を伝える用法だね! こう言うとwill come ...で伝えるより、ぐっと印象が和らぐよ。

 

お次はこの例文を見てみましょう。

What time won't you be coming back today?

今日お帰りは何時になりますか?
willbe+-ingがセットになった未来進行形です。先の例文でも紹介した通り、未来進行形って、日常会話で少し柔らかい語調や丁寧なニュアンスを出すものとしてよく使うんです。
 

未来の意志(これから〜するつもりだ、〜しよう)

続いてのwillの用法は「未来の意志」です。「これからのこと」で、自分のこうしたいっていう気持ちを表すときに使います。文法書だと「意志未来」って書いてることが多いですが、この用語を暗記する必要はありません。

I'll text you later.

あとでテキストするね。

textは「携帯のテキストメッセージで連絡する」の意味。willで、話し手の連絡する意志が表現されています。

I'll call him now.

今彼に電話するわ。

前々から計画していたことではなく、「今思いついて〜しよう」と言うときに使うのがポイントだよ!

どうしても〜しようとしない

こちらもwillの重要な用法なのでしっかり押さえましょう。これは否定文(won'tの形)で「どうしても〜しようとしない」を表します。普通、主語に二人称(you)、三人称(he, she, Tom, theyなど)が来ます。あとは人だけではなく主語に物をよく置くのも大事なポイントです。
 
なお、willの過去形wouldを使うと「どうしても〜しなかった」の意味になります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
 

The door at the back won't open.

奥のドアがどうしても開かない。

The door at the back wouldn't open.(奥のドアがどうしても開かなかった)とセットで頭に入れておこう。

 

My son won't eat it.

息子はそれをどうしても食べようとしない。

子育てしてたら日常のこんな状況もwon'tで表せちゃいます。先に、willは強いニュアンスを持つと説明しました。この場合も「何が何でも食べない」といった強いニュアンスが伝わります。

 

(当然やるべきことへの)依頼(〜してくれない?)

Will you 〜?で「〜してくれない?」と、直接的にお願いする表現になります。「依頼」と書きましたが、これはまったく丁寧な用法ではないので注意してください! なので非ネイティブが軽い気持ちで使うと危険です! 

話すときのトーンや状況によるけど、Will you 〜?は命令しているような印象を与えることもあるんだよ!

Will you be quiet?(↓語尾を下げる)

静かにしてくれない?

これはBe quiet, will/won't you?(↓語尾を下げる)と同じ意味になります。つまり「静かにして!」と強く注意しているのと同じです。ビジネスはもちろん家族同士でもあまり使いません。

 
もし子どもが騒いでいて何度も優しく注意しても直らないといった状況で、堪忍袋の尾が切れた親が子どもにWill you be quiet?と注意するのはあり得るかもしれません。
 

Will you pass me the salt, please?

(食卓で)お塩を取ってくれませんか。

これは定番の表現ですね。pleaseがついているので、Will you 〜?よりは柔らかい印象になります(それでも直接的な依頼)。この文の場合は、「お塩を取って」と相手が簡単にできることをお願いしているだけなので、Will you ... please?で聞いていも、それほど不自然ではありません。
 
しかし、ニュアンスをコントロールするのが難しい学習者は、丁寧なCould you 〜?やWould you 〜?を使ったほうが賢明でしょう。
 
 
依頼の表現をまとめている記事はこちらです。
 

勧誘

これはWill you 〜?またはWon't you 〜?の形で相手を誘う表現です。慣用表現として覚えましょう。
 

Will / Won't you have a cup of coffee?

コーヒーでもいかが?

Will you 〜?でもWon't you 〜?もお誘いに使えますが、Won't you 〜?のほうがより強く相手に誘うかけようなニュアンスを含みます。

ほぼ確実なことに対する推量(〜でしょう)

willは確実だと思っていることに対して推量するときに使います。
 

That will be the her mother.

あれは彼女のお母さんだよね。

道端で知り合いのお母さんを見て、ほぼ間違いないと思って言っているようなシーンを想像してね。

 

習性・習慣・規則

この用法は少し特殊で、よく諺や決まり文句で使われます。

Accidents will happen.

事故は起きるものだ。(諺)

 

Boys will be boys.

男の子とは男の子だ。(諺)

こちらも諺です。「男の子はやんちゃだから少しくらいの乱暴くらいしょうがない」といった意味で使われます。ただ先入観を感じさせるこういった表現は、今後避けられていくような気がします。

 

willの用法、結構多いね。でも中心のイメージ=「これからのこと」を忘れなければ、個々の用法にあたったときに理解しやすそう!

 

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