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完全版 助動詞couldの用法

本記事ではcouldの用法を詳しく紹介します。他の助動詞と同じく、couldにもたくさんの用法があります。最初にcouldの用法を4つにグループわけしておきます。

  • 過去のグループ
  • 推量・可能性のグループ
  • 丁寧のグループ
  • 仮定法のグループ

それぞれ重複する部分もあるけど、まずはざっくりとグループにわけて整理しておくと理解しやすいよ。

過去のグループ

時制の一致

時制の一致では、「従属節の動詞の時制」を「主節の動詞の時制」に合わせます。

He said he could run fast.(間接話法)

彼は早く走れると言った。

=He said "I can run fast."(直接話法)

間接話法の場合は、saidに合わせてcanをcouldにするよ。

過去における能力

こちらはcouldの定番の用法ですね。過去において「〜できた」と表すときに使います。

My son could ride bicycle at the age of five.

息子は5才で自転車に乗ることができた。

My son was able to ride ...と同じ意味だね。過去の能力を表しているよ。

 

過去における可能(条件、環境などが揃っている)

Until two years ago, anyone could enter the art museum for free.

2年前までは、誰でも美術館に無料で入れた。

これは個人の能力の問題ではなく「状況として可能なこと」を表しているね。

couldが使えない場合

couldの用法で注意すべき点があります。「〜できた」と表現するときに毎回couldが使えるわけではないのです!

注意1)

文脈的に過去のことだと明らかな場合はcouldを使って構いません。それ以外の場合は仮定法のcouldと誤解されやすいので、couldではなくwas(were)able to 〜を使いましょう。例えば、I could do it better myself.と言うと「(私なら)もっと上手くできるよ」といった意味の仮定法(if節が省略された形の仮定法)として捉えられる可能性があるからです。

注意2)

昔一回だけできたことに関しては、 couldではなくwas able to 〜を使いましょう。

I was able to pass the exam.

私は試験に合格することができた。

「試験に合格した」のは一回限りの動作で、習慣的な動作ではないね。だから、I could pass the exam.とは言わないよ。

 

I wasn't able to pass the exam.

= I couldn't able to pass the exam.

私は試験に合格することができなかった。

否定の場合はwasn't(weren't)able to 〜でもcouldn'tでもOKだよ。仮定法と混同される心配がないから使って問題ナシ!

 

このあたりがcouldの用法の一番難しいところだと思います! 次のように押さえておきましょう。

  • 仮定法のcouldと勘違いされないために、was(were)able to 〜を使う
  • 一回だけできたことにはwas(were)able to 〜を使う

 

推量・可能性のグループ

次は推量・可能性のグループです。個々の用法にあたっていきましょう。

確信度の低い推量・可能性(ひょっとして〜かも)

他の多くの助動詞と同じで、couldにも推量の用法があります。couldの推量は確信度が低いのがポイント! 

The manager could be in her office.

=Perhaps the manager could be in her office.

マネージャーはオフィスにいるかもしれない。

「ひょっとすると、いるかな」といった可能性の低い場合に使うよ。mayやmightより確信度が低いんだ。

 

否定の推量「〜なはずがない」

It couldn't be true!

本当なはずがないよ!

否定で使うと「〜なはずがない」という意味に。このとき「ひょっとすると」のニュアンスは消えるよ。

 

丁寧のグループ

丁寧なグループは、「丁寧な許可」と「丁寧な依頼」に分類できます。

丁寧な許可

Can I 〜?は「〜していいですか」とカジュアルに許可を求める言い回しでした。Could I 〜?になると、Can I 〜?より丁寧な言い方になります。

A: Could I ask you a question?

B: Of course, you can.

A: 質問をしてもよいでしょうか。

B: もちろん、いいですよ。

応じる人は、couldではなくcanで答えるよ。

許可を求める言い方にはMay I 〜?, Can I 〜?など様々なものがあります。こちらの記事でニュアンスや丁寧度の違いをまとめているのでご覧ください。

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丁寧な依頼

Can you 〜?は「〜してもらえますか」とカジュアルに聞く言い回しでした。Could you 〜?にすると丁寧な表現になります。

Could you give me your phone number?

お電話番号をいただけますか。

依頼するときに使うCan you 〜?, Could you 〜?, Would you 〜?, Will you 〜?の解説はこちらをご覧ください。丁寧度やニュアンスの違いをまとめています。

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仮定法のグループ

いよいよ最後、「仮定法のグループ」の解説に入ります。

仮定法過去

「もし〜ならば、〜することができるだろうに」という現在における現実不可能な仮定を表現します。

If I had enough money, I could buy a house.

もし十分なお金があれば、家が買えるのに。

現実には「お金がないので買えないこと」を伝えています。

 

If my grandma could use a smartphone, I would text her.

もしおばあちゃんがスマホを使えたら、テキストメッセージを送るのに。

このように仮定法過去のif節にcouldが使われることもあります。

 

仮定法過去完了

仮定法過去完了は、「もし〜だったら、〜できただろうに」と、過去における現実不可能だったことを表します。

If you had arrived a little earlier, you could have seen her.

もしもう少し早く到着していれば、彼女に会えたのに。

「早く到着していなかった=過去のこと」で、実際に過去において彼女と会えなかったってことだね。

 

I wish I could have seen him at the airport.

空港で彼に会えたらよかったんだけど。

これは〈I wish I +助動詞+過去完了...〉の仮定法です。これも過去における実現不可能だった願望を表します。彼が3日前に出張であなたの街に来たけど都合が合わずに会えなかったような状況をイメージしましょう。「(3日前=過去に)会いたかったけど無理だった」嘆きが伝わります。

 

以上、couldの用法をグループわけしたうえで解説してきました。たくさんあるので一度に覚えるのは難しいかもしれません。つまずいたときは、こちらのグループわけを見直して、個々の用法にあたっていくのがオススメです。

  • 過去のグループ
  • 推量・可能性のグループ
  • 丁寧のグループ
  • 仮定法のグループ

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