stay homeとstay at home、どっちが正解?
コロナの非常事態宣言中に「ステイホーム」という言葉が定着しましたね。
先日ラジオを聞いていたところ、パーソナリティがこんなことを言っていました。
この方は「stay homeは間違いで、stay at homeが正解」と言いたかったのだと思います。しかし、実はstay homeもstay at homeも正しい英語なんです。
なんで両方正しいのかを説明できる人は意外と少ないはず。カギはhomeの品詞です。詳しく見ていきましょう。
- stay homeとstay at home、どっちが正解?
- homeは名詞・副詞の用法がある
- 名詞のhome
- 副詞のhome
- stay at homeもstay homeも正解
- 〈動詞+副詞のhome〉
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homeは名詞・副詞の用法がある
絶対に押さえておくべきことは、homeには名詞と副詞の用法がある点(形容詞の用法もありますが、本記事では端折ります)。
そもそも「名詞って何?」「副詞って何?」と聞かれたらスラスラ答えることができますか? 英語力を上げたいなら、日本語文法に強くなる必要があります。
まずは、名詞と副詞の定義を確認しましょう。
- 名詞:人、もの、場所など物事の名称を表す語。「私」「猫」「家」などものの名前。
- 副詞:他の語を詳しく説明する(修飾する)語。例えば「急いで食べる」なら、「急いで」が副詞で、「食べる」を修飾している。
具体的にいうと、副詞は英文の中で、動詞、形容詞、(文中の他の)副詞、文全体を修飾します。特に動詞を修飾することが多いです。
一方で「副詞は名詞を修飾できない」ので注意しましょう!
名詞を修飾するのは形容詞です。例えば、「かわいいネコ」の「かわいい」は形容詞で、名詞の「ネコ」を修飾しています。
名詞のhome
ここでようやくhomeの例文・フレーズを紹介します。まずは名詞のhomeから。
There's no place like home.
家が一番。
旅行や出張先から帰ったときに言う「家が落ち着くね、家が一番いいね」を英語にするとこうなります。
このlikeは動詞ではなく前置詞で「〜のような」。直訳すると「自宅のような場所はない」ですね。
I'll stay at home tomorrow.
明日は家にいることにするよ。
出ました、stay at homeです。文法を解説すると、このatは「〜に」を表す前置詞で、homeは「家」で名詞です。
前置詞は「名詞の前に置く」品詞という表記の通り、〈前置詞+名詞〉の語順で使います。この場合は〈at(前置詞)+home(名詞)〉というわけです。
副詞のhome
ここからは副詞のhomeを見ていきます。先ほどのI'll stay at home tomorrow.の解説を頭に入れた状態で読み進めてください。
I'll stay home tomorrow.
明日は家にいることにするよ。
これは副詞のhomeですね。意味は「家に」「我が家に」です。
ポイントは副詞なので、単に「家」ではなく「に」までの意味を含む点。「に」までの意味を含むので、at(〜に)という前置詞を加える必要はありません。
冒頭に「副詞は動詞などを修飾する」と書きました。この場合はどうでしょうか。
動詞stayだけだと「いる」ことしか伝わりません。しかしstay homeとするとhome(家に)がstayを説明してくれて「家にいる」と詳しい情報になるわけです。
この場合、home(副詞)がstay(動詞)を修飾しているんですね。
stay at homeもstay homeも正解
ここまで、stay at homeとstay homeはどちらも正しいことを解説してきました。どちらが間違いというわけではなく、単に品詞の違いで前置詞の有無が決まるのでした。
○ I'll stay at home tomorrow.(home=名詞)
○ I'll stay home tomorrow.(home=副詞)
〈動詞+副詞のhome〉
最後に、副詞のhomeをもう少し掘り下げましょう。
副詞のhomeは〈動詞+副詞のhome〉の形で多用されます。
- stay home(家にいる)
- go home(家に帰る)
- get home(帰宅する)
- come home(帰宅する)
- send +人+back home(人を家に送る)
- take 〜 home(〜を家に持って帰る)
go to home, come to homeなどとは言えないので注意しましょう。
home(副詞)で「家に」という意味なのでto(〜に)を入れる必要がありません。
今回は、基本単語だけど混乱しがちなhomeについてまとめてみました。日常的に使える例文ばかりなので、英会話で使ってみてください!
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