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homeとhouseの違いは?

 

homeとhouseの違い

homeとhouse、どちらも「家」ですが、ニュアンスが異なります。

 

  • home→家族とすごす生活の場愛着や温かみのある「家」
  • house→単純に建物としての「家」

 

基本的には、この違いを押さえておけばOKです。ただし、homeは、houseの意味で使うこともあります。そこは注意しましょう。

 

homeは「基本は『家庭としての家』として使う。ただ、単に「建物としての家」としても使うこともある」いうことです。

 

 

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I'm usually at home on Sundays.

日曜はたいてい家にいる。

 

All my children have happy homes.

子どもたちは全員幸せな家庭を築いている。

 

先に述べたように、homeは温かみのある「家庭」を想起させる語です。なので、単に「家」と訳すほかに「家庭」「家庭生活」「我が家」「住まい」などという訳がしっくりくることも多いです。

 

Happy Life, Happy Home

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個人的には、誰もが知っている企業コピーであるHappy Life, Happy Homeからイメージを膨らませると、homeのニュアンスがつかめると思います。

 

happy home(幸せな家庭、家)から、どんなイメージがわきますか。

 

家族が温かい家庭で団欒しているような「家庭」が想起できるのではないでしょうか。CMに出てくるステレオタイプ的な「家族や住まい」とでもいいましょうか。

 

そこにあるのは、物質的なhouseとしての家ではありません。

 

ここでもう1つ例を挙げましょう。

 

Home! Sweet Home!

楽しき我が家

 

これはイギリス民謡のタイトルです。sweetとは「すばらしい」「素敵な」といった意味でhomeにかかっています。

 

There's no place like home.

家が一番だ。

 

これはHome! Sweet Home!の歌詞の一部。直訳すれば「我が家のような場所はない」。つまり「我が家が一番落ち着く場所」と歌っています。

 

「建物」としてのhouse

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homeの温かい家庭のイメージが例文から読み取れたでしょうか。次はhouseの例文にあたりましょう。

 

houseは単に建物としての「家」を表すので、そこに愛着や温かみなど感情的なものは入りません。

 

How old is that house?

あの家は築何年ですか?

 

a ready-built house

建て売り住宅

 

a custom-made house

注文住宅

 

Please come over to my house.

我が家へお越しください。

 

この文はPlease come over to my home.とすると、「温かい家庭」「我が家」といったニュアンスが出てきます。

 

発展:ネイティブの感覚に触れよう

最後にO-LEX辞書(旺文社)に掲載されているコラムを紹介します。

 

homeを建物としての「家」の意味に使うか」という質問をネイティブにすると、どういう回答が得られたかが掲載されています。

 

問題設定は以下のようにされており、ネイティブがa~dから選ぶかたちになっています

 

Q.どちらの表現を使いますか。

a. John's house faces south.

b. John's home faces south.

c. 両方

d. どちらも使わない

 

ちなみに英文の意味は「ジョンの家は南向きである」ですね。もちろん単に「物質的な家」を表す文です。

 

 

気になる回答内訳はこちら!

アメリカ)

  • a. 53パーセント
  • b. 2パーセント
  • c. 45パーセント
  • d. 0パーセント

 

(イギリス)

  • a. 71パーセント
  • b. 2パーセント
  • c. 27パーセント
  • d. 0パーセント

 

米英ともに、建物の家の意味ではhouseのみを使う人が過半数を占めています。ただし、両方派も一定数いますね。

 

houseのみを使う人の中からは「homeは建物ではなく抽象的な生活の場としての家庭を意味するから使わない」との意見が多く出たそう。

 

さらに細かくいうと、両方使うと答えた人の多くは「2つの間に意味の違いはない」としたそう。

 

ただ一方で「houseが戸建ての家を表すのに対して、homeはアパートやコンドミニアムなども含む」というコメントもかなりあったそうです。

 

コラムは以下のようにまとめられています。

 

建物としての「家」にはhouseを使うのが一般的だが、homeがときに一戸建て以外も含む広い意味での「家屋」を表すことがある。

 

かなりマニアックなところまで到達してしまいました。。が、ネイティブの感覚に触れられるデータだと思います。

 

まとめ

  • home→家族とすごす生活の場愛着や温かみのある「家」
  • house→単純に建物としての「家」

 

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ライティング:つばめパブリッシング