本記事ではWould you mind -ing?とWould you mind my -ing?の違いに注目していきます。
前者は丁寧にお願いする表現、後者は丁寧に許可をとる表現です。
Would you mind -ing?(〜していただけませんか?)
Would you mind -ing?は、丁寧に依頼する表現です。ビジネスだけではなく、親しい友人や家族にお願いするときも頻繁に使います。
Would you mind taking me to the airport tomorrow?
明日私を空港に連れていっていただけますか。
Would you mind buying some milk on your way home?
帰り道に牛乳を買っていただけませんか。
Would you mind closing the door?
そのドアを閉めていただけませんか?
Would you mind -ing?に似た表現にDo you mind -ing?があります。
どちらが丁寧かと言えば、間違いなくWould you mind -ing?です。Do you mind -ing?は「相手に苛立って何かお願いしているとき」にも使うことがあります。
Would you mind picking me up at the airport?
空港に私を迎えに来てもらえるかな?
あなたが家族にこうお願いするとしましょう。わざわざ空港に来るのが骨が折れるとあなた自身が思っているので、家族間でも丁寧な表現を使います。
Do you mind turning off the TV now?
今テレビを消してもらえない?
あなたが仕事をしている部屋で、家族がうるさくテレビを見ているとします。その時に、怒ったトーンでお願いするときは、Would you mind -ing?ではなくDo you mind -ing?が合います。
とは言え、Do you mind -ing?を使うのは必ず怒っているときというわけではありません。丁寧な言い回しのWould you mind -ing?に比べると怒っているシーンで使われやすいのです。
依頼といえば、他にCan you 〜?やCould you 〜?, Would you 〜?などの表現もあります。丁寧度やニュアンスがどう違うのかは、以下の記事を参照してください。
Would you mind -ing?への答え方
さて、Would you mind -ing?の質問に答えるときは注意が必要です。
mindは元々「気にする」という意味の動詞なので、この表現を直訳すると「〜することを気になさいますか?」になります。
ということは、相手の申し出に「応じる」ときは「いいえ、気にしませんよ」と否定形で答える必要があります。
しかし実際には否定形ではなく、Sure.(もちろん)などと答えることも多いようです。例を挙げていきましょう。
申し出に応じるとき
Sure.
Certainly.
Not at all.
Of course not.
Certainly not.
実際には、相手が混乱しないように言葉を補うことも多いです。
例えばWould you mind opening the window?に対して、このように答えると、「窓を開ける意思」がしっかり伝わります。
- Sure, no problem.
- Good idea. It's hot in here.
- Got it, I'll do that now.
Would you mind buying milk on the way home?と言われて快諾するなら、こういう風に返答すると相手に伝わりやすいでしょう。
- OK, no problem.
- Sure, I'll stop by the supermarket.
- Got it.
申し出に応じないとき
I'm sorry, but...(butのあとに理由を述べる)
次は、相手のお願いを聞き入れられないときの返答です。
Would you mind -ing?で聞かれて、Yes, I do mind.(はい、気にします)などと答えると、強い拒絶を表すので十分注意しましょう。私は何度かネイティブに何度か冗談でI do mind, ha ha ha!!と言われたことはありますが(笑)、普通は使いません。
Would you mind my -ing?(私が〜してもよいでしょうか?)
次はWould you mind my -ing?です。myが入るだけでまったく違う意味になります。「私が〜してもよいでしょうか?」と許可をとる表現ですね。
Would you mind my sitting here?
ここに座ってもよいでしょうか?
文法的な説明をすると、myが-ingの意味上の主語になっています(「私が座る」ということ)。
Would you mind if...?への言い換え
さらに、Would you mindのあとにif節を続けて同じ内容を表すこともできます。
Would you mind if I sat here?
ここに私が座ってもよいでしょうか?
wouldがwillの過去形なのでsitの部分はsatに揃えていますが、実際の会話ではsitを使うことも。
Would you mind my -ing?への答え方
こちらもmind(〜を気にする)が入っているため答え方に注意してください。応じる場合、Of course not. Go ahead.(もちろんです、どうぞ)などと否定形で答えることがあります。
次の会話はWould you mind my -ing?の申し出に対して、やんわりと断っている例です。
Would you mind my using your car?
-I'd rather you didn't, if you don't mind.
あなたの車をお借りしてもよいでしょうか?
-もし差し支えなければ、ご遠慮願えませんか。
答えるときに、if you don't mind(もしあなたが気になさらなかったら)と加えることで丁重に断ることができます。ちょっと長いですが、決まり文句として覚えておくと便利です(丁寧な表現は長くなる傾向があります)。
関連記事
About Us
運営者:余田志保
ベレ出版さんのnote記事で連載を担当しました。アメリカ、中国、日本の言語、文化比較をしています。