今日はhearとlisten toの違いについて詳しく見ていきましょう。
そう思いますよね。確かに同じ意味で用いるケースはありますが、基本的にhearとlisten toの意味は全然違います!
hear:自然に聞こえる
hearは自然に聞こえてくるものを「聞く」際に使います。
例えば、外に散歩に出かけるとします。歩いていると、通りを走る車やバイクの音が聞こえ、すれ違う子どもたちが何か話している楽しそうな声が聞こえてくる…といったときの「聞こえる」はhearです。
特に意識していない状態でもひとりでに耳に入るときに使います。
I heard the sound of a violin.
バイオリンの音が聞こえた。
Can you hear me?
-I can't hear you.
(電話口で)私の声が聞こえますか?
聞こえません。
2つ目の例は電話でのやり取りですね。
日本語で言う「聞こえる?」 「聞こえるよ/聞こえないよ」はhearを使います。電話の向こうから声が自然に聞こえてくるかどうかを問題にしているからhearと考えましょう。
例外:hearが「意識的に聞く」の意味になるとき
実は、hearはlisten toに近い意味で使われることもあります。
特に、演奏会、講義などに足を運んで音楽や公演を聞く場合は、listen toではなくhearを使うのが普通です。
I'm hearing her lecture.
彼女の講義を聞いています。
あとは、「人の言い分を聞く」と言うときにhearが使われることも。
What happened? Let's hear it.
どうしたの? 話を聞くよ。
例外を紹介すると話がややこしくなってしまいますね。
実際は「hear=自然に聞こえる」の意味で使うことがほとんどなので、まずは基本のほうを押さえましょう。
listen to:意識して耳を傾ける
listen toは、意識して聞くときに使います。このとき、実際に音や声が聞こえているとは限りません。「聞こえた/聞こえなかった」ではなく、意識して聞こうとする姿勢に重きが置かれています。
I listened to carefully, but heard nothing.
注意して耳を傾けたが、何も聞こえなかった。
I like listening to music.
私は音楽を聞くのが好きです。
音楽を聞くときは、意識的に曲を選んで聞くのが普通なので、listen toを使います。
Are you listening?
ちゃんと聞いてる?
これは日常会話でやり取りしていて、相手がこちらの話に集中していないようなときに言うフレーズです。海外ドラマで登場人物が喧嘩をしているシーンなんかで耳にします。このとき、(×)Are you hearing? にしてしまうと「私の言っていることをちゃんと自然に聞こえてる?」といった響きになるので不自然です。
ちなみに、hearとlisten toの関係は「無意識的に/意識的に」という点でseeとlookの関係と同じです。
もご参照ください!
マトメ
ライティング:つばめパブリッシング
イラスト:田島ミノリ