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英語学習書の編集者とネイティブ校閲者による英語やアメリカ文化の解説ブログ

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[ネイティブ監修]helpの文型・用法

 

今回は、基本単語なのに文型が多くて曲者なhelpの用法を紹介します。

 

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〈help+人+to do〉

〈want+人+to do〉(人に〜してほしい)、〈tell+人+to do〉(人に〜と言う)など、〈動詞+人+to do〉をとる文型は多くあります。

 

このto doの部分は不定詞といいます。

 

helpも例に漏れず、この文型をとります。「人が〜するのを手伝う[助ける]」という意味ですね。

 

She helped me to move the chair.

彼女は私が椅子を運ぶのを手伝ってくれた。

 

〈help+人+do〉 

〈動詞+人+to do〉のtoをとった形です。

 

意味は〈help+人+to do〉と同じで「人が〜するのを手伝う[助ける]」です。

 

このdoの部分は、文法的には原形不定といいます。

 

She helped me move the chair.

彼女は私が椅子を運ぶのを手伝ってくれた。

  

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〈help+人+to do〉と〈help+人+do〉 の違い

 では〈help+人+to do〉と 〈help+人+do〉の違いは何だと思いますか。

 

覚えておくべきポイントをまとめましょう。

  • 〈help+人+do〉のほうがカジュアル
  • アメリカでは〈help+人+do〉の使用率が高い
  • 受動態は 〈help+人+to do〉のみ

O-LEX辞書(旺文社)のhelpの頁に、〈help+人+to do〉と 〈help+人+do〉のどちらを使うか、米英ネイティブに調査したデータがコラムとして掲載されています。

 

その調査によると、アメリカ人はこのように回答したそう。

  • 〈help+人+to do〉のみ使う人→6%
  • 〈help+人+do〉のみ使う人→71%
  • 両方使う人→21%

 

アメリカでは圧倒的に〈help+人+do〉を使う人のほうが多いんですね。ここまで違うとは、驚きました。

 

〈help+人+do〉は口語的。カジュアルな英語が広く使われているアメリカで使用率が高いのは合点がいきます。

 

他方、イギリスではこのような結果に。

  • 〈help+人+to do〉のみ使う人→12%
  • 〈help+人+do〉のみ使う人→37%
  • 両方使う人→49%

両方使う人の割合が過半数に迫ります。結構米英で差があり、興味深いですね。

 

helpの文 受動態の作り方

ここで受動態の例文を載せておきます。受動態にできるのは 〈help+人+to do〉だけです。

 

He was helped to understand his role in the organization.

彼は組織での役割を理解するのを助けてもらった。

 

直訳は、「理解するのを助けられた」です。要は、誰か(上司やチームなど)によって理解する手助けをしてもらったという意味です。

 

これをHe was helped understand his role in the organization.と原形不定詞で言うと間違いなので注意しましょう。

 

ではここで、He was helped to understand his role in the organization.の文を能動態に変換してみましょう。

 

He was helped to understand his role in the organization.

             ↓

The team helped him (to) understand his role in the organization.

 

能動態にすると、彼の理解を手助けした動作主(=The team) が主語として出て来ます。

 

ここでちょっと受動態について補足を。受動態は主語(ここでいうとHe)に光をあてた表現です。

 

対して、動作主(the team)は、どちらかというと影の存在。話者は動作主を強調したいわけでありません。なので受動態の〈by+人〉はよく省略されます。

 

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〈help+人+with+もの〉

次に、withを使って「〜の...を手伝う[助ける]」を表す型をご紹介しましょう。withのあとは名詞が続きます。

 

I helped her with her homework.

彼女の宿題を手伝った。

 

I helped with the dishes.

皿洗いを手伝った。

 

このように「人」を省略してもOK。文法的にいうと、このhelpは自動詞ですね。

 

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help outは日常会話で多用!

最後に、helpを使った句動詞としてhelp outを紹介しましょう。以下に、大切なポイントをまとめました。

  1. 〈help+人称代名詞+out〉の語順で使う
  2. 〈help out(+人の名前)〉〈help+人の名前+out〉のどちらもOK
  3. このoutは副詞。前置詞ではない
  4. 「仕事や家事を手伝う」という意味で、日常会話で多用される

では、例文を紹介しながら説明していきましょう。

 

He helped out on the presentation.

彼はプレゼンテーションを手伝ってくれた。

 

He helped me out on the presentation.

彼はプレゼンテーションで私を手伝ってくれた。 

 

このoutは副詞で、前置詞ではありません(前置詞だと後に名詞を続けなければならない)。

 

〈help+副詞〉の句動詞で、helpの目的語が人称代名詞(この場合me)の場合は、〈help+人称代名詞+out〉の語順にします。

 

これが人の名前なら、help Nancy outでもhelp out NancyでもOKです。

 

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アメリカ人の校閲者、ブルックさんに聞くと、help outは日常会話でとにかく使うらしいです。

 

I like to help my wife out in the kitchen.

台所で妻の手伝いをするのが好きだ。

 

ブルックさん曰く、help outを使った典型的な文はこういったものだそう。この場合、「家事」の手伝いですね。

 

ちなみに、Merriam Websterでは、help outを次のように定義しています。

 

to do something so another person's job or task is easier

他の人の仕事やタスクが楽になるように何かすること

 

単純明快でわかりやすい定義です!

 

そして、Merriam Websterも例文で、I sometimes help out in the kitchen.を紹介しています。help out in the kitchen、ネイティブがよく使う表現として覚えておきたいですね。

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編集者 連載記事

ベレ出版さんのnote記事で連載を担当しました。アメリカ、中国、日本の言語、文化比較をしています。

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ライティング、編集:余田志保

英文校閲&解説協力:Brooke Lathram-Abe

 

ネイティブ校閲者について

Brooke Lathram-Abe (ブルック)
文学修士

編集・校正・翻訳及び英会話・ヨガの指導を行なっている。
編集業に関しては、主に英語教育での仕事に熱意を持って取り組んでいる。
株式会社三修社株式会社KADOKAWA、IBCパブリッシング株式会社などの大手出版社の依頼を受け、これまでに多くの書籍の制作に携わってきた。