「見る」は「見る」でもsee, look, watchと色々な単語があります。ネイティブは、どう使い分けているのでしょうか。見ていきましょう!
see:意識的ではなく目に入る
seeは、以下のように自然に目に入ったときの「見る」を表します。
- 道ばたで誰かを見かけたとき
- 窓から外を見ると山が目に入ったとき
You can see a sign board over there.
あちらに看板が見えますね。
これは「あっちを見れば、看板が自然に目に入りますね」というニュアンスで使っているのでseeが適切です。
I saw her walking down the street alone.
彼女が通りを1人で歩いているのを見た。
look:止まっているものを意識的に見る
lookは自動詞なので、多くの場合、あとに前置詞がつきます。〈look at+人•もの〉で、「〜を見る」という意味になることが多いです。
lookには「一定時間、見る」ニュアンスもあります。「チラ見」ではなく、「意識してしばらく見る」のです。
She looked at me sadly.
彼女は悲しそうに私を見た。
I looked back but saw nothing.
振り返ったが何も見えなかった。
これは、lookとseeの違いを理解する上で役に立つ例文です。
look back(振り返る)は、意識的に後方を見ることですね。振り返って見たが、saw nothing(何も見えなかった)、つまり、視界に何も入らなかったと言っているので「無意識的に目に入る」のseeを使います。
Look at the sign board over there.
あそこの看板を見て。
ちなみに、seeとlookの関係は、「無意識的に/意識的に」という点でhearとlisten toの関係と同じです。hearとlistenの記事も参考にしてください。
watch:動いているものを意識的に見る
watchの中心的なイメージは「ある程度の時間、何かを注意して見る」です。特に「動いているもの」に対して使うことが多いです。
I watched a baseball game on TV last night.
昨夜、テレビで野球の試合を見た。
「テレビを見るときは、watchを使う」は基本として是非覚えておきましょう。テレビの中の動いている選手やボールを見るのでwatchと考えればOK。
I love watching you dance.
あなたが踊っているのを見るのが大好き。
「見守る」のwatch
I have to watch my children carefully so they don't get into trouble.
問題を起こさないように、注意して子どもたちを見てなきゃ。
watchは「見守る、注視する」という意味でもよく使うので覚えておきましょう。まるで動物のように動く子どもたちを見るのでwatchです。
lookより、watchのほうが動的なイメージ
先ほど「lookは止まっているもの、watchは動いているもの」と説明しました。ただ、これは100%絶対的なルールではありません。
Look at that bird flying over there.
あっちで飛んでいる鳥を見て。
この文は自然な文です! これは、Look at that bird.という文にflying over there.が付属的についているだけですね。Look at that bird.は正しいので、語句を足しても許容されます。
lookと比べたときに、より動的なイメージと結びつくのがwatchと考えましょう。
「映画を見る」はsee or watch?
Watching that movie on TV was fun, but seeing it on a big screen in the movie theater was much more exciting.
その映画をテレビで見て面白かったが、映画館の大画面で見たほうがずっと迫力があった。
テレビで見るときはwatchで、映画館で見るときにはseeを使っています。なぜでしょうか?
「映画の中の人やものは動くんだし、何よりも映画は意識的に見るんだから、seeは間違いで、watchが正解では?」と疑問に思う方が多いはず。
「どこで」映画を見るかで区別
watch a movie at home 自宅で映画を見る
see a movie in the theater 映画館で映画を見る
「どこで」映画を見るかがカギになります。映画館の大きなスクリーンで映画を見るとき、席に座れば意識して注視しなくても「自然に」 映像が「目に入って」きますよね。
そのため、映画館で映画を見るときは「無意識的に」「自然に」「目に入る」ニュアンスを持つseeを使うのです。
ただし! 「これは100%守らなくてはいけないルールではありません」と校閲のブルックさんから指摘をもらいました。
「このように言っても間違いではないよ〜」とブルックさん。watch a movie in the theaterと言っている人を見かけても、「それ、間違いだよ!!!!」と目くじら立てて指摘することではありません。
マトメ
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